『このファン』お屋敷パニック(クリス&メリッサ)【ストーリー】
メリッサ:お帰りなさいませ。ご主人様。あら、お客様をお連れになるなら事前にお伝えくだされば…
貴族:お客ではないよ、アリサ。今日からここで働くことになった新人メイドのリースさんだ。
クリス:初めまして、新人のリースで…!?
クリス&メリッサ:うぇっ!?
貴族:おや?もしかして2人は知り合いかな?
メリッサ:い、いやそんな!ただ初めて会った気がしないほど親近感が湧いただけですわ。うふ、うふふふ!!
クリス:き、奇遇ですね。あたしもですよ!先輩、優しくして下さいね…あは、あはははは!
貴族:ははっ、気が合うようでよかったよ。アリサがちゃんと仕事を教えてあげるんだよ?それでは…。
メリッサ:…行ったわね。何よ、リースって偽名まで使って。
クリス:それはこっちの台詞だよ。アリサなんて名乗って。もしかして、あたしと同じくこの屋敷のお宝を…?
メリッサ:まあね。ここの主人。裏でさんざん悪さしてることで有名だし。ちょっとお灸を据えてあげる意味合いも兼ねて…ね?
クリス:理由も目的も、完全にあたしと一緒ってわけだ。…それで、あたし達この後どうすればいいと思う?
メリッサ:どちらかといえば、アナタとは争い合いたくはないわね。正体がバレると面倒だしね。ここは1つ、お宝の独占は諦めて共闘といかない?
クリス:…いいね、その提案乗った。
屋敷の住人が寝静まった後。音を立てずに歩く2つの影があったーー
メリッサ:さてと、この辺りにお宝があるはずなんだけど…
クリス:あった、金庫だよ!!絵画の裏なんて…こんなとこに隠してたんだ。
メリッサ:目当てはこの中かしら。見張ってるから早く開けなさい!!
クリス:待ってよ。ええっと、ダイヤル式ね。右に4回、左に2回…開いた!!
メリッサ:現金に貴金属をこんなにたくさん…貯め込んでるわねぇ。どれもこれも一級品だけど…。
決めた。このイヤリングを貰うわ。こんなに大きなサファイヤをつけて…美しいわ。
クリス:え、ま、待ってよ。それはあたしが狙ってて…。
メリッサ:早い者勝ちよ。それに美しいイヤリングは、ワタシにこそ相応しいの。
クリス:ダメだってば!見た目は確かに綺麗だけど、実はすごい魔力を秘めててーー
メリッサ:ご忠告ありがとう。それじゃ頂いて行くわね?
クリス:もう、危険だって言ってるのに!このわからず屋!こうなったら…『スティール』ッッ!!
メリッサ:はっ!?しまっーー
クリス:やった!イヤリングはあたしが貰うからね?
メリッサ:ちょ、待ちなさ…
メリッサの言葉よりも早く。クリスは身をひるがえし、屋敷の窓を割って逃げ出したーー
貴族:何だ、今の音は!広間の方からだぞ!?アリサ!リース!どこだ!?
メリッサ:…ワタシもここに残ってるわけにはいかないようね。今日のところは、他の宝石で我慢しておくわ。
でもあの子…なかなかやるじゃない。 次は負けないわ…トレジャーハンターのプライドにかけて!
メリッサも宝石を握りしめ、窓から外へ飛び出す。胸の奥で、クリスへのリベンジを固く誓うのだったーー
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