王女様と砂漠ツアー

カズマ達はアイリスを連れて砂漠にやってきていたーー
 

 
カズマ:あぁ、暑い…もう一歩も歩きたくない…。

 
めぐみん:ダメですよカズマ。こんな所で立ち止まったら干物になってしまいます。せめて日陰に入らないと。
 
アクア:でも日陰なんてどこにあるのー?歩いても歩いても砂しか見えないんですけどー?
 
ダクネス:本当に…アイリス様は退屈ではありませんか?
 
アイリス:退屈だなんてとんでもありません。砂漠を見たのも初めてですし、知らないものばかりで、とても楽しいです!

 
すみません。砂漠を見たいという私のわがままを聞いて頂いて…。
 
カズマ:いいって。クエストで砂漠に行く用事もあったしな。お忍びで出かけて気分転換にもなるだろ。
 
アイリス:ところで、あの…私だけらくだに乗っていていいのですか?なんだか申し訳ないのですが。
 
ダクネス:いえ、アイリス様にこんな足元が悪い場所を歩かせるわけにはいきません。我々のことはお気になさらず。
 
めぐみん:らくだなんて初めて見ましたよ。背中にこんな大きなこぶがあるなんて…中には何が詰まっているのでしょうか?
 
カズマ:中身は脂肪だ。過酷な砂漠の環境でも生き抜くために必要な栄養を脂肪に変えて蓄えてるらしいぞ?
 
アイリス:へえ、そうなんですか。お兄様は物知りですね!
 
アクア:…あら?ねえ見てよ、みんな!あんな所に大きな湖があるわ!
 
めぐみん:本当ですね!それに緑に囲まれた美しい街並みも見えます!
 
ダクネス:オアシスというやつか。早速お邪魔をして休ませてもらうとしよう。
 
カズマ:確かに、喉も渇いてきたしな…あそこまでダッシュだ!!
 
アクア:ぜぇ、ぜぇ…全然近づかないわよ?どうなってるの?

 
めぐみん:走ったせいで余計に疲れましたね…。
 
アイリス:アクアさん、めぐみんさん…大丈夫ですか?
 
カズマ:これって…まさか蜃気楼ってやつか?
 
アイリス:蜃気楼…?
 
ダクネス:熱気や冷気による光の異常な屈折のため、空中や地平線近くに遠方の風物などが見える現象のことです。
 
アイリス:ということは…あのオアシスは幻?
 
アクア:そんな!信じて頑張って歩いたのに、酷すぎよ!責任者は名乗り出て!
 
カズマ:無茶言うな…自然の悪戯なんだからどうしようもない。俺達は神様に見放されたんだ!
 
アクア:はぁ!?そんなのおかしいわ。女神は私なんですけどー!?
 
カズマ:へいへい、喉も渇いたし水でも飲もうぜ。全員器を出せ…『クリエイトウォーター』ッッッ!!
 
アクア:…っぷはぁ、生き返るわね~!
 
アイリス:ただのお水をこんなにも美味しく感じられるなんて。素晴らしい経験です。それに蜃気楼という現象…砂漠に来られてよかった…。もっと色々経験して、早く大人になりたいです。
 
ダクネス:アイリス様を見ていると本当に心が洗われるようで…砂漠歩きで溜まった疲れも吹き飛びます。
 
カズマ:さーて、もうちょっと休憩したら歩きだすぞ。夜までに目的地に着ければいいんだが…。
 
???:グゥゥゥゥ…。
 
アクア:ん?なんだか変な声が…。
 
トロールウォーリア:グルァァァァ!アツイ、アツスギル…!!

 
カズマ:のわああっ!?ト、トロール!?
 
アイリス:ダニエルの残党でしょうか…?
 
ダクネス:アイリス様、下がって下さい。ここは我々がーー
 
アイリス:いえ、ララティーナ!私も戦います!!
 
ダクネス:し、しかし…。
 
カズマ:アイリスは言い出したら聞かないもんな。よし、いくぞ!!
 
アイリス:はいっお兄様!!
 


 
突如現れたモンスターを撃退した後。日も暮れたのでカズマ達は野営で夕食をとっていたーー
 

 
アクア:火が弱くなってきたわね…。カズマ―、薪に火を足してちょうだい。

 
カズマ:へいへい…『ティンダー』!!
 
めぐみん:はぁー、あったまりますねー。つい先刻までうだるような暑さと戦ってたのに…砂漠というのは不思議な場所です。
 
アイリス:ええ。それに、こんな風にみんなで外でご飯を食べるなんて…。なんだか嬉しいですね。
 
ダクネス:ふふっ…今日はゆっくり休んで、明日は日が昇りきる前に砂漠を出るとしましょう。
 
アクア:やっぱり冷えるわね…ねえねえ、カズマさん。こういう時にはシュワシュワを飲めば温かくなるんだけど。
 
カズマ:砂漠まで来て贅沢を言うなよ。代わりにこれを飲め。
 
めぐみん:これは、ホットココアですか?
 
カズマ:みんなの分もあるぞ。ほい、アイリスにも。
 
アイリス:ありがとうございます。お兄様。それと…砂漠に連れて来て頂いてありがとうございます。とても刺激的で素敵な体験になりました。
 
カズマ:これぐらい大丈夫だって。クレアとレインの説得が一番大変だったくらいだ。
 
アイリス:それでもクレアが許可をくれるのは、きっとクレアも心のどこかでお兄様を認めているからではないでしょうか。
 
ですから…今日で終わりではなくて、きっとまた連れ出してくださいね?
 
カズマ:…おう。当たり前だろ?
 
アイリス:次は、一体どんな素敵な景色が待っているのでしょう?凍えるような雪原、足がすくむような渓谷…。色々な場所に行ってみたいです。
 
カズマ:正直俺は、なんにもせずに家でごろごろしてたいけどなぁ。
 
アイリス:もう、お兄様ってば…ふぁ~。夢を、壊すようなこと、言わ、ないで…。
 
カズマ:どうした、アイリス?疲れたのか?
 
アイリス:すぅ…すぅ…むにゃむにゃ。

 
アクア:寝てる、わね…。
 
ダクネス:今日1日歩き回ってお疲れになられたんだろう。寝床の用意をしてくる。
 
カズマ:王女で、戦闘も強くて、しっかりしてるけど…。やっぱまだ子供だな。可愛い寝顔だ。
 
アイリスとならば、色んな場所に出かけるのも悪くないかもしれない…カズマはそんな風に考えるのだった。
 

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